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統計検定2級 2018年6月 問8の2

問題

ある世帯の毎年6月に於ける電気料金は、平均4000円、標準偏差500円の独立同一正規分布で近似される。ある年に於いて、6月の電気料金がその前年の6月の電気料金より800円以上高くなる確率は?

考え方

情報整理

  • μ = 4000
  • σ = 500
  • Xi = 任意の年の6月の電気料金を表す確率変数
  • E[Xi] = μ
  • V[Xi] = σ2
  • 今年6月の電気料金:X1
  • 前年6月の電気料金:X2

求めるもの

題意を式で書くとP(X1-X2 ≧ 800)である。

そこで、まずP(X1-X2 ≧ 800) を計算するために必要な、X1-X2が従う分布のパラメータ(期待値・分散)を求め、最終的に確率を計算する。

計算

X1-X2の期待値・分散を求めると、

E[X1-X2] = E[X1] - E[X2] = μ - μ = 0

V[X1-X2] = V[X1] + V[X2] - 2Cov[X1,X2]

ここで、

Cov[X1,X2] = E[X1X2] - E[X1]E[X2]

であるが、X1とX2は独立なのでE[X1X2]=E[X1]E[X2]である。ゆえに、Cov[X1,X2] = 0

よって、

V[X1-X2] 
= V[X1] + V[X2] - 2Cov[X1,X2]
= V[X1] + V[X2] - 2×0
= V[X1] + V[X2] - 0
= V[X1] + V[X2] 
= σ^2+ σ^2 
= 2σ^2

結論

計算結果より、X1-X2が従う分布のパラメータ(期待値・分散)は、

  • 期待値:0
  • 分散:2σ2

となるので、X1-X2はN(0,2σ2)に従うと書ける。

以上を用いて P( X1-X2 ≧ 800 )を計算すると、

P( X1-X2 ≧ 800 )
  ここで、
  Z = ( (X1-X2)-0 ) / √(2σ^2)
  と標準化すると
= P( Z ≧ ( 800-0 ) / √(2σ^2) )
= P( Z ≧ 800 / (σ√2) )
= P( Z ≧ 800 / (500√2) )
= P( Z ≧ 1.131...)
  標準正規分布の上側確率表より
= 0.129

よって、ある年に於いて、6月の電気料金がその前年の6月の電気料金より800円以上高くなる確率は0.129である。

参照

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