統計学実践ワークブック第15章にて、"指数分布(λ)はガンマ分布(1, 1/λ)である"、というワンフレーズでつまずいたので、
復習を兼ねてポエムです。なお、以下の議論において、厳密性は度外視している。
ガンマ関数
定義
s > 0 とする。ガンマ関数Γ(s) は次式で定義される。
性質1: Γ(1) = 1
Γ(1) = 1である。
性質2: Γ(s) = (s-1)Γ(s-1)
Γ(s) = (s-1)Γ(s-1)である。
性質3: Γ(n) = (n-1)! where n ∈ ℕ
のとき、Γ(n) = (n-1)!である。
∵ 性質1と2より、ガンマ関数は
ガンマ分布
定義
a>0, b>0, x ∈(0,∞) として、確率密度関数f(x)が
と表される連続型確率分布を、ガンマ分布G(a, b) という。
モーメント母関数
X ~ G(a,b) としてモーメント母関数 を求める。
ここで とすると、
となる。
再生性
X ~ G(a1, b) , Y ~ G(a2, b) でXとYは互いに独立であるとする、この時 X+Yの分布はモーメント母関数を用いて
と表される。これは X+Y ~ G(a1+a2, b) に等しい。よってガンマ分布は再生性を持つ。
指数分布(λ)はガンマ分布(1, 1/λ)である
指数分布は確率密度関数が と表される。従って、ガンマ分布 G(a,b)にて
として求めると、
となり、確かに一致する。