👑整列集合:
(W,≦)を順序集合とする。
Wの非空部分集合が最小元を持つとき、
(W,≦)を整列集合という。
つまり、
整列集合(W,≦)が与えられたとき
空でないWの部分集合は最小元を持つ
ということ。
整列集合は全順序:
Wの要素が1個なら非空部分集合S={a}は最小元aを持つ。
Wの要素が2個以上とする。
任意にa,b∈Wを取る。S={a,b}とする。
Sは非空部分集合であるから、
Wの整列性よりSは最小元を持つ。
a≠bのとき、もしmin S = aならばa≦b。もしmin S = bならば b≦a。
a=bのときa≦b または b≦a。
いずれのケースでも比較可能である。
よってWの任意の2元は比較可能であるから、Wは全順序である∎
【用語】切片,初期区間(initial segment)
W(a) := { x∈W | x < a }
をWの切片という。
a∈Wより真に小さい要素を集めた集合が切片である。
📌命題
W(a) = ∅ならばaはWの最小元である。
W(a) = ∅
⇒ x<aを満たすxが存在しない
⇒ ¬( ∃x∈W : x < a )
⇒ ∀x∈W: a ≦ x ←Wの最小元
したがって a = min W
∎
🔑定理 11.1:超限帰納法
(W,≦)を整列集合とする。
各a∈Wに対して命題P(a)が与えられ
1) P(min W)が真
2) min Wとは異なる
任意のa∈Wと
任意のb∈W(a)
について
P(b)が真ならばP(a)が真である
この時、
任意のa∈WについてP(a)は真である
🔎証明
A⊆W、A ={ x∈W | P(x)は偽 }
とおく。A≠∅とする。
つまり、命題が偽になる要素があると仮定する
Wの整列性からminAが取れる。
P(minA)は偽よりminA≠minWである
次に b∈W(minA)を任意に取る
P(b)が真ならばP(minA)が真である
矛盾である
よって、A=∅
つまり、
P(x)が偽になる要素x∈Wは存在しない。
したがって
任意のa∈WについてP(a)は真∎
🔑定理 11.2
Wを整列集合とし
f: W→Wを単射かつ順序を保つ写像とする
この時、任意のx∈Wについて
x ≦ f(x)が成り立つ。
🔎証明
A = {x ∈ W | f(x) < x}が非空だと仮定する
A⊆WよりWの整列性からmin Aが存在する
a = min Aとおく
a∈Aなので、
f(a) < aを満たす
fは順序を保つ単射であるから
f( f(a) ) < f(a) が成り立つ
よって f(a)∈Aである
するとf(a) < aとなるため
aの最小性に矛盾
よってA=∅
したがって
任意のx∈Wについて
x ≦ f(x)が成り立つ。∎
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🔑定理 11.3
Wを整列集合とする。
a,b∈W、a<bとする。
この時、
(W(a), ≦)と(W(b), ≦)は順序同型でない
🔎証明
W(a) = { x∈W | x < a }
W(b) = { x∈W | x < b }
とおく。
W(a)⊂W(b)である。
順序同型写像f: W(b) → W(a)
が存在すると仮定する
またW(a)⊂W(b)から
包含写像inc: W(a)→W(b)が存在する
さてa∈W(b)を取る
aでfを送るとf(a)∈W(a)
するとf(a) < aが成り立つ
さらにf(a)をincで送り
f(a)∈W(b)
ここでinc∘fは順序を保つ写像かつ単射であるから順序を保つ単射g = inc∘f: W(b)→W(b)を用いてg(a) < aが示せた。
これは定理11.2 に矛盾する
したがって、W(b)→W(a)への
順序同型写像は存在しない∎
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🔑定理11.4
(W,≦), (W*,≦*)を整列集合とし
W1 ⊆ Wを
W1 = { a∈W | あるa*∈W*が存在しW(a)とW*(a*)が順序同型 } により定める
このとき、
W1=Wであるか
または、あるa1∈Wが一意的に存在し
W1=W(a1)となる
────────────
W1≠W, W\W1 ≠ ∅ とする。
整列性より
m = min(W\W1) が存在する
さてW1 = W(m)を示す
【 W(m) ⊆ W1 】
x∈W(m)を任意に取る
すると x < m である
mはW\W1の最小元であるから
x∉W\W1
よって x∈W1
したがって W(m) ⊆ W1
【 W1 ⊆ W(m) 】
背理法で示す。
「x∈W1 かつ x∉W(m) となる x が存在する」
と仮定し、矛盾を導く
仮定よりx∈W1のため
あるx*∈W*が存在し
W(x)とW*(x*)は順序同型を満たすため
順序同型写像 f: W(x) → W*(x*)
が存在する
また仮定より
x∉W(m)なのでx < mでない
よって m ≦ x
さらに x ∈ W1とm∈W\W1から x ≠ m
m < x
よって m ∈ W(x)
したがってW(m)⊆W(x)である
さてm* = f(m)とおく
f(W(m)) = W*(m*)を示す。
①f( W(m) ) ⊆ W*(m*)
z∈W(m)を任意に取る
z < mよりf(z) < f(m)
よってf(z) < m*
つまりf(z) ∈ W*(m*)
したがってf( W(m) ) ⊆ W*(m*)が成り立つ
②W*(m*) ⊆ f( W(m) )
z*∈W*(m*)を任意に取る
z* < m*である
fの全射性からあるz∈W(x)が存在し
z* = f(z)を満たす。
よってz* < m* すなわち f(z) < f(m)
fは順序同型なので順序を反映し
f(z) < f(m) ⇒ z < m を得る
よってz ∈ W(m)
ゆえに z* = f(z) ∈ f( W(m) )
したがって W*(m*) ⊆ f( W(m) )が成り立つ
以上よりf(W(m)) = W*(m*)が成り立つ。
したがって
W(m)とW*(m*)は順序同型であるから
W1の定義に照らし合わせると
m ∈ W1を満たす。
しかしm ∈ W\W1であったから
m ∈ W1はm ∉ W1に矛盾する。
よってW1 ⊆ W(m)が成り立つ。
以上より
W(m)⊆W1, W1⊆W(m)が成り立つので
W1=W(m)
一意性:
a1,a2∈W, W1=W(a1)=W(a2)とする。
a1≠a2と仮定する。
整列性よりa1<a2としてよい。
するとa1∈W(a2)である。
しかしW(a2)=W(a1)であるからa1∈W(a1)となる。
これはa1<a1を意味し矛盾。
したがってa1=a2であり一意である。
∎