axjack's blog

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多変量正規分布の条件付き期待値・条件付き分散

やること

『統計学』東京図書 p.147 練習問題 問5.1の[2]、多変量正規分布の条件付き期待値・条件付き分散を解きます。

問題

(X,Y,Z)^{T}が平均ベクトル(0,0,0)^{T}、分散共分散行列が正値対称行列

 \begin{pmatrix}
1 & \rho_{xy} & \rho_{xz} \\
\rho_{xy} & 1 & \rho_{yz} \\
\rho_{xz} & \rho_{yz} & 1 
\end{pmatrix}

の時、X = xおよびZ = zを与えた下でのYの

  • 条件付き期待値
  • 条件付き分散

を求めよ。

解法

※ mathjaxだと面倒なので画像で行きます。

確率ベクトルX: p×1行列 が 平均ベクトルμ: p×1行列, 分散共分散行列Σ: p×p行列を用いた N(μ, Σ)に従っている。そして『統計学』東京図書 p.45 にあるように

f:id:axjack:20200911224418p:plain

と区分けすることを考える。

この時、『統計学』東京図書 p.46の定理2.2.6により、

f:id:axjack:20200911224838p:plain

が成り立つ。

これを踏まえると、今回の問題はX = (Y,X,Z)^{T}と順番を入れ替えて

f:id:axjack:20200911225754p:plain

と区分けすることができる。(赤線の区分けと添字の対応は以下の通り。)

f:id:axjack:20200911230603p:plain

ということで、E[Y | X = x, Z = z]を求めると、

f:id:axjack:20200911232935p:plain

となる。

一方、V[Y | X = x, Z = z]を求めると、

f:id:axjack:20200911234042p:plain

となる。

なお今回の3変量正規分布の条件付期待値と分散は、変数2つが固定されるので一次元正規分布となる。なので、ベクトル・行列の演算結果はスカラーになる。

参考

axjack is said to be an abbreviation for An eXistent JApanese Cool Klutz.