やること
『統計学』東京図書 p.147 練習問題 問5.1の[2]、多変量正規分布の条件付き期待値・条件付き分散を解きます。
問題
が平均ベクトル、分散共分散行列が正値対称行列
の時、X = xおよびZ = zを与えた下でのYの
- 条件付き期待値
- 条件付き分散
を求めよ。
解法
※ mathjaxだと面倒なので画像で行きます。
確率ベクトルX: p×1行列 が 平均ベクトルμ: p×1行列, 分散共分散行列Σ: p×p行列を用いた N(μ, Σ)に従っている。そして『統計学』東京図書 p.45 にあるように
と区分けすることを考える。
この時、『統計学』東京図書 p.46の定理2.2.6により、
が成り立つ。
これを踏まえると、今回の問題はと順番を入れ替えて
と区分けすることができる。(赤線の区分けと添字の対応は以下の通り。)
ということで、E[Y | X = x, Z = z]を求めると、
となる。
一方、V[Y | X = x, Z = z]を求めると、
となる。
なお今回の3変量正規分布の条件付期待値と分散は、変数2つが固定されるので一次元正規分布となる。なので、ベクトル・行列の演算結果はスカラーになる。
参考
- http://users.stat.umn.edu/~helwig/notes/norm-Notes.pdf のp.34あたりから。
- 多変量正規分布における条件付き確率の式と意味 - 具体例で学ぶ数学
- Deriving the conditional distributions of a multivariate normal distribution - Cross Validated
- self study - Conditional Probability Distribution of Multivariate Gaussian - Cross Validated
- Covariance matrix - Wikipedia