道を歩いていると壁に激突するコガネムシが居た。逞しい羽音を聞くたびに不快な緊張が走る。
そんなコガネムシ、彼らは目が見えているのだろうか否か?という問いが頭を過ぎる。
もし目が見えているのであれば、壁に激突しないのでは、と思う。或いは、目が見えているのに壁に激突しているとすれば、彼らはスピードを緩める術を持って居ないのだろう。
逆に目が見えていないのであれば、危険窮まる地上を飛び回る勇気に感動…はしないものの、もう少し平穏に暮らそうとは考えないのか、と心配になる。
「走り出したら止まらない」
この言葉の響きはかっこいい。しかし壁に激突するほどのスピードは出したくないなぁ、と思った。