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永井荷風関連の年表

永井荷風の『ふらんす物語』附録(西洋音楽最近の傾向)を読んでいたところ、

フランスの音楽会は巴里にクロード、ドビュッシー(Claude Debussy)を出した。 一八六二年八月二十二日、巴里の郊外、緑深きサンジェルマンに生れた。さればストラウスよりは二歳の年長、今年四十六になる。

from:上掲p.364(※サンジェルマンの「ェ」は本書では「ヱ」の小文字である)

という一文に目を奪われる。永井荷風が生きている時代にドビュッシーも生きていたのか、と驚いた。ドビュッシーはまだ生きていた。ドビュッシーは四十六の頃、荷風は二十九である。

その他の人物はどうなのだろうか。モーパッサンは「モーパッサンの石像を拝す」と書いてあることから没しているであろう。ではボードレールは?ゾラは?など、荷風関連の人物はいつ生れ、いつ没したのか興味を持った。

そこで、『ふらんす物語』『断腸亭日乗(上)』その他青空文庫荷風作品諸々を読んだ段階での、荷風関連人物の生没および事件戦争法律書籍を年表にまとめてみることにした。

■年表
┣1813:ワグナー生
┣1821:ボードレール生
┣1837:成島柳北生
┣1840:ゾラ生
┣1852:永井久一郎生
┣1850:モーパッサン生
┣1857:『悪の華』
┣1861:広津柳浪生
┣1862:ドビュッシー生
┣1862:森鴎外生
┣1867:夏目漱石生
┣1867:ボードレール没
┣1867:明治維新━━━━━━━━
┣1870:普仏戦争始
┣1871:普仏戦争終
┣1872:芸娼妓解放令
┣1874:上田敏生
┣1879.12.03:永井荷風生
┣1883:鹿鳴館落成
┣1883:ワグナー没
┣1884:成島柳北没
┣1885:硯友社結成
┣1889:大日本帝国憲法制定
┣1891:早稲田文学創刊
┣1893:モーパッサン没
┣1894:ドレフュス事件
┣1894:日清戦争始
┣1895:日清戦争終
┣1900:娼妓取締規則制定
┣1902:ゾラ没
┣1903:永井荷風渡米
┣1904:日露戦争始
┣1905:日露戦争終
┣1907:永井荷風渡仏
┣1908:永井荷風帰朝
┣1908:『あめりか物語』
┣1909:『ふらんす物語』※発禁
┣1910:大逆事件
┣1910:三田文学創刊
┣1910:日韓併合
┣1912:大正元年━━━━━━━━
┣1913:永井久一郎没
┣1914:第一次世界大戦始
┣1916:上田敏没
┣1916:夏目漱石没
┣1917:『断腸亭日乗』執筆開始
┣1918:第一次世界大戦終
┣1918:ドビュッシー没
┣1920:国際連盟加盟
┣1922:森鴎外没
┣1923:関東大震災
┣1924:銀座カフェー・タイガー開業
┣1925:治安維持法制定
┣1925:普通選挙法制定
┣1926:昭和元年━━━━━━━━
┣1928:広津柳浪没
┣1931:満州事変
┣1933:国際連盟脱退
┣1936:日独防共協定
┣1937:日独伊防共協定
┣1937:『濹東綺譚』
┣1937:日中戦争
┣1939:第二次世界大戦始
┣1945:第二次世界大戦(含日中戦争)終
┣1946:公娼制度廃止命令
┣1952:永井荷風文化勲章受章
┣1959.04.30:永井荷風没
┣1968:『ふらんす物語』近代文学館 一般公開
┣1989:平成元年━━━━━━━━
┣2009.04.30:永井荷風没後50周年
┣2017.09.16:『断腸亭日乗』執筆開始100周年

”無きにしも非ず”という文の「非ず」について

”無きにしも非ず”は”なきにしもあらず”と読む。 もしかしたらそう読まないことも無きにしも非ずでしょうが、ここでは”なきにしもあらず”と読むことにします。

さて、「あらず」は「ラ変:ある」の未然形+「打消の助動詞:ず」の終止形である。「あらず」を漢字にする時、

  • 在らず
  • 有らず
  • 非ず

の3つが考えられる。そこで、この3つの漢字について逐一考える。

まず、「在る」は「ある」と読むので、「在らず」は「あらず」と読むことに納得が行く。 同様に、「有る」は「ある」と読むので、「有らず」は「あらず」と読むことに納得が行く。

しかし、「非る」を「ある」とは読まないのに、「非ず」を「あらず」と読むのはなぜなのでしょう?

と思い至り辞書やら辞典を引いてみたものの、結論から言えば何故「非ず」を「あらず」と読むようになったのか合点出来なかった。

以下は調べた結果である。

あら-ず【非ず】 (感動詞的に)いや、そうではない。否。 枕 八「何ぞ…と問はせ給ふ。ー、車の入り侍らざりつることいひ侍りつる」

from:新村出他(1995)『広辞苑』第6版、岩波書店、p.93

あら-ず (句)|不有|非| 〔ありノ未然形ニ、打消ノ助動詞ノ、ずノ添ハリタルモノ、ず、ぬト活用ス〉然ハ無シ。サウデナイ。連体形ニテ、あらぬ。

from :大槻文彦 他(S.31)『新編大言海冨山房、p.100

あら-ず【非ず】 (連語)《「あり」の未然形に打ち消しの助動詞「ず」の付いたもの》そうではない。

from :梅棹忠夫 他(1989)『日本語大辞典』第ニ版、講談社 p.73

(※簡略化して示す)【非】 ①そむく。②いつはり。③わるい。④よこしま。⑤あやまち。⑥あらず。ず。⑦ない。⑧くだる。⑨かくれる。⑩とがめる。⑪せめる。⑫つみする。⑬そしる。⑭うらむ。⑮いなや。(中略) 〔説文通訓定聲〕非、違也、从飛下翅、取其相背也、指事。

from :諸橋轍次 他(S.34)『大漢和辞典 巻12』大修館書店 p.132

恁ういふスタンブビヨウ式漢語入り都々逸

タイトルは、内田魯庵『貘の舌』ウェッジ文庫, p.29より引用。扨、スタンブビヨウとは何だろう、と思い調べた。

スタンブビヨウ ⇒ タンスビョウブ

落語の『たらちね』に答えがある。ウィキペディアたらちね』より引用。

とっさに意味もわからず困った大家、そばの道具屋の店先に箪笥と屏風があったので『いやはや、スタンブビョーでございます』と答えて煙に巻いたという(タンスとビョーブをひっくり返して並べた。無論、意味はない)。

ということで、スタンブビヨウは「意味は無い」を形容する語と見て良さそうだ。貘の舌の該当箇所では、都々逸に漢語を用い情緒を破壊された事を指して、それをスタンブビヨウと称している。

永井荷風『小説作法』に登場する人物・作品の列挙

列挙する中、鷲津毅堂は永井荷風の親戚ということがわかった。なお、”フランス人ギヨオ”が誰なのか調べて見たもののよく分からず。ゲーテかなと思いきや、ゲーテはドイツ人である。

出典:永井荷風小説作法青空文庫

序文

はてなブログを始める理由

Googleblogger(blogspot)も使っているわけだが、この度はてなブログも始めようと思ふ。ひとまず理由を述べる。

bloggerが使いづらい

bloggerスマホで記事投稿するのが難しい。確かにスマホのブラウザから投稿は出来るしメールから投稿するのも可能ではあるのだけど、スマホ最適化された投稿画面ではないし、メールから投稿すると(メールクライアントソフトにもよるかもだが)リッチテキスト化されてタグがおかしくなるのがなんだか解せない。オフィシャルな投稿アプリも用意されてないし、要するに使いづらい。

故に、bloggerをなかなか更新しなくなってしまった。一方ではてなブログを始めるのはその逆であり、

はてなブログは使いやすい

オフィシャルな投稿アプリがあるのが一番大きい。プレビューも出来るしマークダウン形式で投稿出来るのも嬉しい。

以上は機能面での理由である。それ以外の理由は、

パソコンを開くのが怠い

使わないこともないのだけど、ほぼ使ってない。bloggerはパソコン向きのブログサービスなのかもしれない。以前はオフィシャル投稿アプリがあった気がする。今は無い。第三者の作った投稿アプリはあるのだけど、いかんせんGoogleアカウントが絡むと思うと、あまりそれは使いたく無い。

ブログ2つあっても良いよね感の芽生え

ブログは基本一つに絞るってのがマイポリシーだったのでずっとbloggerにお世話になってきたわけだが、別にそれにこだわらなくても良いかなとふと思ったのが最近の考え。日記帳は一つ二つと並行分散して書くこともあるのだし、ブログも同じようにしてしまってもイイじゃん、と。なので、あっちに書いたりこっちに書いたり右往左往してみたいと思う。ブログの引越しとかは怠いのでそれはせず。新しい日記帳買って前の日記帳の内容を全部写す人は居ないでしょうし、それと同じ考えである。

あーだこーだ書いてみたが、要するにスマホから投稿しやすいはてなブログを使ってみよう、の一言に帰着する次第で御座候。

axjack is said to be an abbreviation for An eXistent JApanese Cool Klutz.